ローカルベンチャーに思うこと

ここのところ、県内の起業家支援事業だったり、ビジネスプランコンテストの審査員だったりをしていて、この違和感を言語化しておかなければならないと思って筆を執りました

地域活性化において、企業活動が活発になることが必要で、そのために起業をする人を歓迎するし地域で応援する体制をとっていくことについては反対する人はいないことでしょう。

一方、地域における”起業”において、ある種の誤解が生じているように見えてならない。

1)内需を前提にした事業と外需を獲得するための事業の違い

地域ビジネスの多くは、内需を前提としたビジネスプランであること。たとえば街場のレストランだったり、サロンだったりである。銀行なども、商圏がいくらくらいなのか、そのくらいの客数が想定して、損益ラインはどのくらいなのかを見て融資をする。そういうビジネスが基本的に多いし、そういう事業が多くあるから地域は活性化する

一方、地域外からの客を引き込んだり、あらたな市場を作り出したりすることを想定している外需ビジネスも存在する。こういったものが、起業家育成で重宝される。

2)ベンチャーの定義

ローカルベンチャーという違和感のある言葉が一時期騒がれた

ベンチャーの定義は「成長性のあるマーケット」で「革新的なビジネスモデル」を「短期間(5年くらい)」で成長する企業を、投資対象としてつくられた言葉だ。

ローカルにおいて、そのようなことでもないのに、なんでもかんでもローカルベンチャーと捲し立ててしまうケースは、それは地域に根差した商いでベンチャーという枠組みで見てはいけないものなのだと思う。

3)起業経験のない声の大きな存在

起業を促すためにつくられた部署で、起業育成事業を行う役所・ビジネスプランを評価して応援する銀行職員・評論家のように地域活性化をうたい学生を扇動する大学教授・そういった声の大きい人が評価してしまう。起業経験があればいいというものではないが、目的と目標が合致しない価値観の相違が生まれる

そういったところで、ビジネスプランを評価するために東京から専門家を呼んできても、内需ビジネスを評価することはできないし、そのイメージも合わない。一方、外需を前提とした革新的なサービスなんかをローカルのビジネスプランには出てこない。

そんな違和感を感じながらも確信していることは、「ローカル」に「ビジネスチャンス」が落ちていること。

それは、大それたベンチャーとかでもないし、スケールしていって投資の対象になったり、IPOやM&Aのようなゴール設定をしていないものだけど。