居酒屋にて

本日は千駄木の老舗の居酒屋にふと行ってみた。
見るからに汚い古くからある居酒屋で、奥の座敷というか、親戚にうちに来た時にあがるような仏壇のある部屋みたいなところに通された。
となりにいたおっさん2人とおばさん1人。おっさんと思ったけど年を聞くと75と60だと。
おっさんとおじいさんの差はどこからなのだろうか
年齢ではない。仕事を引退したとかそういうことでもない。顔つきでもない。なんだろう。そう、テンションである。
おじいさんにはテンションがなく、おっさんにはテンションがある。

そういった意味でテンションのあるおっさん二人と隣の席になり、3時間飲み会をやってしまったのである。

おっさん1人は、歌舞伎役者の75歳。勢いがあるおっさんである。まだまだ現役だという。
もうひとりのおっさんは、根津の酒屋の店長。3代目の酒屋だという。

おっさんふたりとおばさんの住むマンションは立川談志の家があったところで、故立川談志との親交もあつかったという(有名人と友達というのはよくある話だが、立地を考えるとあながち嘘ではなさそう)。なぜなら、根津の酒屋の上に立川談志が住んでいたのは、よく知られていることであるからだ。

今日、ふらっと近所にある立川談志の墓参りにいったらしい。

立川談志の戒名は、戒名は「立川雲黒斎家元勝手居士(たてかわうんこくさいいえもとかってこじ)」

うんこくさい。

ユーモアと人情にあふれた生き方を江戸の人は”粋”と呼ぶ。
そんな粋な思い出を語った千駄木の夜であった。