バイトの卒業パーティ

日本放送協会の卒業生の送別会があった。
実は送別会に僕は誘われていなかった。

たぶんこのブログを見て、大須賀と村田と青山は送別会の存在を知ることになるだろう。原稿バイトの岩本さんと伊藤さんをねぎらって送別会が渋谷で開かれた。
送別会には、奥田さん、沖田さん、深須さん、加藤さん、がNHK職員のみなさんが来ていた。

ぼくらのバイトは基本しゃべることを必要とせず、もくもくと時間を計算してあとは適当に仕事してるように見せかけながら新聞を読んだり、人のアラをさがしていたりする仕事なのだ。

S&Nが今日は国会中継か何かで中止になったため10時でバイトが終わった。そそくさと帰ろうとすると、藤本デスクが

「土井は行かないのか?」

と声を掛けてきた。僕には何か分からなかった

「なんすかー?」

藤本デスクは気がついた。土井は送別会に呼ばれていないということを。
そして、彼は気づいた。みんなが意図して誘っていなかった私に送別会の事実を打ち明けてしまったということに。
この気まずい空気をどうにかしなけれと思ったのか、その場を取り繕うとしてデスクは沖田さんに電話を掛けた。

「どこでやってんだっけ?土井もいってもいいだろ?」

僕は横で目をぱちくりさせていた。

「土井にかわるわ」

電話を渡される

「土井です。行ってもイイッスか?」
もう、ここは引き下がれないと私は悟った。是が非でもいかなくては藤本さんにも沖田さんにも顔が立たなかっただろう。

飲み会の場では、卒業する先輩にはなむけの言葉を送り、なるべく失言をなくすように努力して会話した。
普段のバイト中4時間で、400字詰め原稿用紙に収まってしまうくらいの言葉しかしゃべらない僕だが、今日はエントリーシート10枚分くらいしゃべってやった。

ついでに言って置くと
そんな僕だが、NHKにはエントリーシートで落ちていたのだった。