富山県氷見市で出会ったおじいさんの話

若者のUターンを促進するための奨学金制度「ブリ奨学金」を氷見市で7つの金融機関が協力して協定が結ばれました。

その協定式と意見交換会を兼ねて、21日ー23日まで富山県氷見市に行ってきました。

詳しい内容は、こちらのブログをご覧ください

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学業のために上京して、ふるさとに戻ってきて仕事を見つけたり作ったりしたら奨学金の返済が不要になる制度で、全国に広がっています。

若者を応援するこういう仕掛けは大事だと思うのに一方で世の中、年配者に優遇されているなぁと思った話を書いておきたいと思います。

 

 

さて、その氷見からの帰りに北陸新幹線に乗ってみたくて、新高岡を目指して歩いていたときのことでした。

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バス停まで歩いていると、橋の工事があったようで通常のバスの行路がなくなっていて、あらたなバス停を探している間に、予定のバスを乗り遅れてしまい途方にくれていました。すると、横にいたおじいさんも同じ状況に陥っていました。

おじいさんの荷物をもってあげて別のバスの停留所に2人で歩くことにしました。

そのおじいさんは、氷見市で生まれ、大学で金沢にでていき、仕事で全国を転々として自宅は横浜の旭区にあるといいました。年齢は85歳でした。息子さん(おそらく60歳くらい)が希望ヶ丘高校の先輩だということがわかりました。

おじいさんの実家は海岸線沿いの自宅が氷見にあり、自宅に面した浜が国から買う権利をもらったから200万で買う手続きをしに戻ってきたとのことでした。

僕はこのおじいさんと1kmくらい一緒に歩きました。

バスに乗ると、おじいさんはいろいろ教えてくれました。

「横浜市では、私鉄市営バスは年間8400円払うと乗り放題になるのでどこでも無料でいけるんだ」

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といってこのパスを見せてくれました。

北陸新幹線ができて、JRも老人だけが入れる「ジパング倶楽部」というのに入っていて、3割引きで乗れるチケットがあるから、富山まで片道1万円以下でこれるんだとも教えてくれました

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65歳で定年になったらいっぱい友人たちとゴルフにいったりしていたらしいですが85歳になると6割くらいの友人は死んでるから、さみしいよと言っておられました。そういって富山に戻って、土地を買い戻しているこのおじいさんの背中が少しさみしく見えました。

僕は、聞きました

「氷見に戻って生活したら、どうですか?」

そうすると

「あと長く生きても10年くらいだろうし、今は女房も元気だからいいけど、1人になったらこっちじゃ生きられないよ」

 

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すこし話は飛躍しますが、お年寄りに優しい制度はいいのですが、若者がもっといきいきできる制度をつくっていかないといけないなと思いました。移動にしたって高校生や大学生など時間があってこれからの将来を担う人材がいろんな地域にいけるきっかけを作ることに、鉄道会社や行政はもっと頭を使ったらいいなと思いました。

氷見市のぶり奨学金だったり、地方創生でやっておられることは、こういう社会を変える動きなのだと思いました。