東京タワー

阿久津氏から借りた長編小説のこれはとても良かった。
それをたとえるなら、読み終えたときになぜかポわーっとする気持ちになる。誰もが少年の気持ちを忠実に描いていてもうたまらんわ。下ネタじゃないリリーフランキーは良い文を書きますわ。涙が止まりません。 わたくしごとだけど、僕らは大人にっぽいことを親に悟られるのを嫌がるんだ。
たとえば、今でも僕がパンツをブリーフからトランクスに変えたときのことを今でも鮮明に覚えている。たいてい小学生はみんなブリーフをはいてて、お茶目な子は前の部分を黄色く染めちゃったりしている。 大人はトランクス。子供はブリーフ そういう図式がいつの間にか出来ていた。
小学校の修学旅行の時期くらいになると、その変化の過渡期でクラスの半分くらいがトランクスになっている。体の変化の大きい小学生にとっていろいろ悩みはあるものだ。友達は小学校の修学旅行のときにちんげを剃ったらしい。当時、生えているほうがマイノリティだったから。 まぁそういう変化はあるにせよ、僕にとって
「おかあさん、トランクス買って。」
って言うのは恥ずかしいことだった。 小学6年の時だった。
僕は盲腸をこじらして腹膜炎になって生死をさまよったことがある。
盲腸が膿ではれておなかがパンパンになっていた。
そんな体が限界になったときに僕は母に告げた。 「お母さん。おなかが締まってきついからトランクスにしたい・・・」 ブリーフのゴムがきついことを言い訳に、しかも体がボロボロのときに、僕は母に打ち明けた。 母さん、そんな僕も今ではボクサーパンツ派です