葉隠入門

「武士道といふは死ぬことと見つけたり」
この一節で有名な「葉隠」は、山本常朝が武士道精神を書いた道徳書である。

この一節が意味するのは生きるか死ぬかの選択を迫られたとき、どういう風に行動することが本当の正義か判断することは難しい。そういった二つ二つの選択を迫られたとき、軸足をぶらさないように死ぬことを選ぶほうを薦めているのだ。
人間だれしもそういった場合には、生きるほうに理屈を組み立ててしまう。

生きて生き恥をさらすくらいなら、体裁を整えるべしといふことだ。

自分を考えると生きるか死ぬかなんて局面に出くわすことはどういうときなんだろうかとふと思う。
リアルじゃないけど60年前なら20歳で死ぬことは当たり前だった。
リアルだけど、たぶんこの先ながい人生があることを誰もが疑わない。

誰のために死ねるかな。
家族のために死ねるかな
恋人のために死ねるかな。
子供のために死ねるかな。

覚悟がない分、度胸もない。
かっこわるい大人が増えているのは、こういうこともあるんだろうな。